中国地区化学工学懇話会 2022年度 セミナープラスチックの資源循環 ~マテリアルからエネルギー~

主 催:中国地区化学工学懇話会 共 催:広島大学フェニックス協力会

趣 旨:瀬戸内海沿岸には多くの化学産業があり、プラスチックやゴムなどの原材料や製品を数多く生産しています。循環型社会が指向されるこの時代において、これら製品の生産・利用・処理までをスムーズに繋げ、資源循環させることが求められていますが、なかなかそうならない課題があります。一方で、令和4年4月から施行された、プラスチックに係る資源循環促進等に関する法律(プラ新法)が執行され,「プラスチックはえらんで,減らして,リサイクル」のかけ声のもと、プラスチック製品の調達,生産,設計,販売,消費への個人、企業、自治体の関わりが求められるようになり、化学産業全体が果たす役割が問われています。そこで、本年度のセミナーでは、プラスチックの資源循環の取り組みの最新情報やその将来展望について紹介し、瀬戸内海の化学産業の活性化に繋がる取り組みについて考え、議論する機会としたく企画しました。多くの方のご参加を期待しております。

開催日時:2022年11月11日(金)講演会10:00~17:10 交流会17:30~19:30
開催場所:TKPガーデンシティPREMIUM広島駅前 3A(講演会3F), 4A(交流会4F)
     (〒732-0821広島県広島市南区大須賀町13-9)
アクセス:広島駅(南口・在来線口)から徒歩2分

定  員:120名

プログラム:
主催者挨拶(10:00~10:05) 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授  都留 稔了 氏

1)(10:05~11:00)
 EUにおけるプラスチック循環の動向と日本の課題

公益財団法人日本生産性本部 コンサルティング部 エコ・マネジメント・センター長
上智大学大学院 地球環境学研究科 非常勤講師 喜多川 和典 氏

欧州では、廃棄物事業の自治体独占が壊され民営化が進んだ。自治体の焼却炉は民間の選別処理と競争し、結果選別が優勢となりプラスチックリサイクルが発展した。もうひとつの立役者は有機廃棄物の埋立禁止である。他方、日本は、製品品目別にリサイクルを推進する道を選んだが、産業規模への到達は難しく、国民経済の負担を抑えつつ、発展を模索する必要がある。

2)(11:00~11:30)
 メタクリル酸メチルポリマーのリサイクル技術の開発

三菱ケミカル(株) 生産技術部 広島生産技術開発室
ポリマープロセス開発セクションリーダー 永渕 慶秀 氏

近年、市場から使用済みアクリル樹脂(PMMA)を回収してメチルメタクリレート(MMA)へ戻し、リサイクルMMAとしてPMMA原料に再利用するケミカルリサイクルが欧州を中心に加速している。弊社にて建設に向けて検討中の、使用済みのアクリル樹脂を回収し、マイクロ波により熱分解後、精製してMMAに戻し、PMMA原料とするケミカルリサイクルを紹介する。 

3)(11:30~12:00)
 プラスチック資源循環デジタルプラットフォーム開発プロジェクト:BLUE Plastics

旭化成(株) デジタル共創本部 インフォマティックス推進センター
資源循環プロジェクト長 井出 陽一郎 氏

BLUE Plasticsとは、プラスチック資源循環デジタルプラットフォーム開発プロジェクトです。ブロックチェーン技術を活用し、リサイクルプラスチックのトレーサビリティ担保により新しい価値提供を目指します。当日は、現在のプロトタイプおよびそれを用いた実証実験、そして今後の展開についてご紹介します。 

<12:00~13:00 昼食>

4)(13:00~13:55)
 日本におけるプラスチック資源循環の方向性
  早稲田大学先進理工学研究科応用化学専攻 教授 松方 正彦 氏

プラスチック資源の循環は、「もったいない精神」にもとづくというよりは、カーボンニュートラル化を見据えれば、貴重な炭素資源ととらえるべきである。本講演では、我々がNEDOで推進しているプラスチックの資源循環技術開発について解説するとともに、その社会実装に向けた課題を整理したい。 

5)(13:55~14:40)
 企業アライアンスによるプラスチック資源循環への対応
 クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス事務局 技術統括 柳田 康一 氏

地球規模の海洋プラスチックごみ問題ではこの素材の恩恵を受けるすべてのステークホルダーの貢献が求められている。素材、食品・トイレタリー、小売、リサイクル等500近くの企業が集まるCLOMAは多様な技術や知恵を結集し消費者や自治体、国とともに未来に続くソリューションを創造、さらに世界へ発信していくことを目指している。今回の講演では、CLOMA設立のコンセプトと活動事例を紹介する。 

<14:40~15:00休憩>

6)(15:00~15:30)
 軟包装の環境対応とマテリアルリサイクル
  三井化学(株)ICTソリューション事業本部 企画管理部 益坂 公治 氏

三井化学は、『RePLAYERR』と『BePLAYER?』の両輪でサステナブルを超えたリジェネラティブな未来の実現を目指しています。本講演では、三井化学グループの包材分野における環境対応の取り組みの一つとして実証実験を開始した「RePLAYERR‐軟包材マテリアルリサイクル‐」についてコンセプト及び概況についてご紹介いたします。 

7)(15:30~16:15)
 マテリアルリサイクルの温故知新
 ― PE/PP ブレンド技術から+1(プラスワン)機能へ ―

  滋賀県立大学 工学部 教授 徳満 勝久 氏

高分子材料は「混ぜればゴミ,分ければ資源」と言われるように,混合状態で再利用するのは大変難しい.それは各種高分子材料が互いに“非相溶”という混ざりにくい性質を有するためであるが,これは“高分子”という特徴を有する材料としての宿命でもある.本講では古くて新しいプラスチックのリサイクル技術と,さらに一歩進んだ新しいプラスチックのリサイクル技術について述べる。 

8)(16:15~17:05)
 自動車リサイクルの現状とプラスチックリサイクルへの期待
  公益財団法人 自動車リサイクル促進センター 専務理事 阿部 知和 氏

日本の自動車リサイクルは2005年に法が施行され,現在は安定的に運用されている。法制定の経緯と現在のリサイクルの状況及び課題を説明する。特にプラスチックのサーマルリサイクルからマテリルリサイクルへのシフトや、次世代車の適性処理、CEへの取組みに対する課題と方向性を紹介する。 

セミナー閉会挨拶(17:05~17:10)
 〔交 流 会〕17:30~19:30(TKPガーデンシティPREMIUM広島駅前 4A(4F))

参加費 (消費税込み)

  講演会 交流会
中国地区化学工学懇話会会員、化学工学会会員、広島大学フィニックス協力会会員 5,000 円 3,000 円
非会員 40,000 円

申込方法:申込先フォームサイト(利用できない場合は電子メール)でお申込み下さい。参加者氏名、会員・非会員の区別、勤務先、所属、連絡先(住所、電話、E-mail)、送金予定日、交流会 参加/不参加を明記し、参加費のお支払いは、銀行振込(もみじ銀行西条支店普通預金1058275 中国地区化学工学懇話会)をご利用下さい。

申込締切:10月21日(金)

申込先フォームサイト:https://forms.office.com/r/Tw83hpRZeL

問合せ先:
  〒739-8527 東広島市鏡山1-4-1
  広島大学工学部化学工学講座内 中国地区化学工学懇話会事務局
  TEL 082-424-7718、 FAX 082-424-5494、
  E-mail:ysasa@hiroshima-u.ac.jp