2025・2026年度 会長
住友化学株式会社 生産安全基盤センター
楢原 英夫
皆様、はじめまして。このたび、2025・2026年度の中国地区化学工学懇話会会長を拝命いたしました、住友化学株式会社の楢原でございます。会員の皆様には、日頃より懇話会の活動に多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。一言ご挨拶を申し上げます。
昨年12月、日本経済団体連合会より発行されたFUTURE DESIGN 2040「成長と分配の好循環」の中で、日本が直面する2つの大きな課題として、①少子高齢化・人口減少、②資源を持たない島国という特性が指摘されました。これらは、環境・エネルギー問題や地域経済社会の課題と密接に関連しています。
環境・エネルギー分野では、カーボンニュートラル(CN)の実現が喫緊の課題です。エネルギー原単位の抜本的改善やCO₂の分離・回収・再利用技術の開発が求められる中、化学産業はこれらの技術革新を牽引する重要な役割を担っています。しかし、これを実現するには化学産業だけでは不十分であり、自動車、電気、エネルギー、小売業など多様な業種との連携が不可欠です。その中で、化学工学は分析、機械設計、触媒、重合といった多様な技術を統合する「オーケストラの指揮者」として、これらの連携を推進する役割を果たします。
また、地域経済社会の課題として、都市部への人口集中に伴う地方の少子高齢化や労働力不足が深刻化しています。
中国地区化学工学懇話会は、化学工学に関する学術および技術の発展を図り、会員相互の親交を深めることを目的としています。今後は、化学工学を通じて環境・エネルギー問題の解決や地域産業の活性化に貢献し、持続可能で豊かな社会の実現を目指してまいります。
特に、アカデミアと企業が連携し、若手研究者や技術者の育成を強化することで、次世代を担う人材の創出にも力を注ぎたいと考えています。
中国地方の魅力をさらに高め、持続可能な社会を実現するために、理事、幹事の皆様とともに力を合わせ、会員の皆様と連携しながら取り組んでまいります。皆様の温かいご支援とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。