2025・2026年度 会長
住友化学株式会社 生産安全基盤センター
楢原 英夫
皆さまには平素より中国地区化学工学懇話会の活動に格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。2025・2026年度会長を務めております、住友化学株式会社の楢原でございます。
会長を拝命して一年、行事の企画・運営や意見交換に関わる中で実感したのは、本懇話会の価値は「テーマ」そのものだけでなく、参加者同士が安心して率直に話せる雰囲気と、継続して顔を合わせることで育つ信頼関係に支えられているという点です。こうした土台があるからこそ、技術の話が一歩踏み込み、現場の課題が言葉になり、次の学びや改善につながっていくのだと感じております。
本懇話会の目的は、会則に明記されているとおり「中国地区(四国北西部を含む)における化学工学に関する学術および技術の発展」と「会員相互の親交」です。私はこの二つは相互に強め合う“両輪”だと捉えています。親交が深まるほど率直な相談や情報共有が生まれ、現場課題が言語化され、学術の知見と結びついて技術へと育つ。逆に、議論が深まるほど人のつながりが強くなり、次の挑戦が始まる――この循環こそが本会の価値だと思います。
また、中国地区に本懇話会がある意義も大きいと考えております。本地域は瀬戸内沿岸を中心に素材・エネルギー・化学関連の拠点が集積し、大学・高専・公設試験研究機関も含め多様なプレーヤーが比較的近い距離に共存しています。この特性は、現場の課題を持ち寄り、学術的に整理し、実装へつなげるうえで大きな強みになります。一方で、組織の壁を越えた継続的な議論の場は、意識して設計しなければ自然には生まれにくいのも現実です。だからこそ本懇話会は、全国規模の学会とは異なる機動性と継続性を活かし、「知」と「現場」、「産」と「学」を結ぶ接点を地域の中に保ち続ける役割を担っていると考えております。
2025年度は、総会における記念講演会に加え、新技術交流会、セミナーを開催いたしました。いずれの回も、懇親の場でも質疑や意見交換が活発で、産学官それぞれの視点が交わる本会らしさを感じる機会となりました。ご講演の先生方、開催にご協力いただいた関係各位、そしてご参加いただいた会員の皆さまに改めて御礼申し上げます。
2026年度は、「基礎化学工学講習会」、「セミナー」、そして現場課題に直結する「プラント保全研究会」を計画しております。基礎の学び直しから最新動向の把握、現場知の共有までをつなげ、参加された方が“教科書に載りにくい知恵”も含めて持ち帰れる場にしてまいります。
結びに、本懇話会が地域の化学工学コミュニティの接点として、学術と産業の双方に貢献し続けられるよう、理事・幹事の皆さまとともに努めてまいります。引き続き、皆さまのご指導ご鞭撻、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。